大判例

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東京地方裁判所 昭和42年(ワ)12920号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕ところで、書面の真否確認の訴は、書面が法律関係を直接証明するものである場合のみ許されるものと解すべきで、その証明できるところが事実関係にとどまる場合、あるいは法律関係の存否の証明に役立つとしても、直接それを証明する関係にない場合には、右書面真否確認の訴は、許されないものと解する。そうでなければ確認訴訟に必要な即時確定の利益を欠くこととなる。

他方、登記申請は、その申請名義人が法律行為等によりすでに作出した法律状態を前提として、これに応じた登記上の形式ないし外装を加えんとするためのもので、登記申請は専ら実体法上の法律関係に奉仕するものというべく、登記申請者が右の実体法上の法律関係を直接証明するものとは認めることができない。

もつとも、登記申請書がその申請の事実を直接証明するものであることは明らかであり、また、申請にかかる登記の存否を証明する書面ということもできる。しかし、登記自体は、不動産物権変動について対抗力を生ぜしめる法律要件にすぎないので、その存否を法律関係の有無と同視することはできない。しかし、仮りに、これに準じて考えることができるとすれば、不動産物権変動に対抗力を生ぜしめる登記、即ち有効な登記の有無はその申請手続の有効無効のみでなく、その登記が現に不動産物権の変動に合致するか否の点からも考察されるので、この点に思い及ぶと登記申請書をもつて有効なあるいは無効な登記を証明する書面と解することできない。従つて、登記申請書は、書面の真否確認の訴の目的となりえないものである。

そして、土地分筆申請についてもこのことは同様であつて、前記土地分筆申請書は、前記土地の分割関係即ち分割土地の部位範囲等を証明することに役立つ関係にあつても、それに綴付された実測図、地形図の通り当該土地が分割されその所有関係等が成立したことを証明するものとはいいがたく、また、その申請にかかる登記の有効無効を直接証明する文書でもないことも明らかである。

なお、原告は、前記土地分筆申請書の原告の印影が真正に成立したことを認めているが(それ以外の右申請用紙の空欄部分の記載をいずれも、不知と争つている)、前記摘示の同申請書文面からは、同書面が被告国との間の委任その他公私法上の法律関係の存否を証明する書面とも到底解することができない。(西岡悌次)

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